繊細主任と鈍感師長

前回は、新人教育に関する悩みについての記事を書きました。

今回は新人教育に対する指導について、上司との間で感じたモヤモヤについて書いていこうと思います。

私は今、病棟主任として働いているので直属の上司は病棟師長になります。

みなさんの上司は、どんな方ですか?

うちの師長は、いつもおおらかでとても優しい人です。体調不良でお休みの連絡をしたときも、快く「ゆっくり休んでね、仕事のことは気にしないで」と言葉をかけてくれます。

以前の師長はわりとクールな方で、体調不良の連絡や急なシフト調整にはあまりいい顔をしない人でした。

なのでそういった面で今の師長はとても懐が深いというか、スタッフに対してあまり圧力をかけるタイプではないので、相手の負の感情に敏感な私にとってはとてもありがたいタイプの上司でもあります。

ではなぜ私がそんな師長との関係で悩んでいるのか。

原因は、師長の『鈍感さ』なんです。

先ほど、うちの師長はおおらかで優しい方だと紹介しましたが、別の言い方をすると『物事を深く考えない、鈍感な人』なんです。

一緒に働き始めた当初は、ちょっと話題が逸れやすい人だな…くらいにしか思っていなかったのですが、長く付き合っていけばいくほど、話題が逸れているのではなくそもそも論点がずれているんだと感じるようになりました。

もちろん、看護管理という面では大先輩ですしまだまだ私には持てないような視点で物事を捉えている点ではさすがだなと思うのですが、議題が『人間関係』に関する内容になった途端、話が噛み合わなくなるのです。

HSPである私からすれば、病棟内の人間関係は毎日目まぐるしく変化しているように感じます。それがよい方向に向かっているときもあれば、これはまずいぞ…と暗雲立ち込める雰囲気のときもあります。

そういったあまりよくない雰囲気の時は、私自身もその渦に飲まれやすく、いつも以上に人の顔色が気になったり、自分の一挙一動が間違っていないか過剰に気になってしまいます。

だからこそ、何かよくない空気が流れ始めた時にはその原因が何なのかなるべく早く気が付いて対処したいと思うのですが、私も病棟のスタッフ全員と関係性が築けているわけではないので、何かスタッフからアプローチはなかったか、悩んでいそうなスタッフはいないかを師長と共有したいと思うのですが…

そもそも、師長はそんな空気にすら気づいていない。

「え!そんな感じだった?全然気が付かなかった!」

百歩譲って、気づかなかったのは仕方ない。師長業務も忙しいだろうし、師長だって病棟の人間関係全てにアンテナを張っているわけではないのだから…

・・・だとしても!

さすがに毎回毎回この反応だと、アンテナを張るかどうか以前にアンテナが立ってもいないんじゃないか…そう思ってしまうのです。

少し話は逸れましたが、そんな師長と私の間で新人教育についてどんなすれ違いがあったかを聞いてください。

ある日のお昼休憩、いつものようにスタッフが交代で食事をとっていたのですが、休憩室から帰ってくるスタッフがなにやらざわついていたのです。

話を聞いてみると、どうやら新人の一人が休憩中ずっと大きな声でプライベートな話をし続けていたと…。

内容は、彼氏のことやら、学生時代のバイトの話やら。

話すのは構わないが、まだ配属になって1週間ほどしか経っていないのに、周りの目も気にせず話し続けるのはどうかと…

…たしかに。

あまりにもスタッフがざわついているので、このままではその子が周囲との人間関係を築く前に悪い先入観だけが独り歩きしてしまう。

そう思ってすぐに注意しに行こうと思い休憩室に向かったのですが、ちょうど新人が休憩室から出てきてしまったので私が直接注意をすることはできませんでした。

そこで私はまずは師長に状況を伝えることにしました。

その新人については、普段から業務中もあまり緊張感がないような様子でそのあたりも心配だったので、早めに本人へ伝えた方がいいと思うのですが…と師長に提案しました。

師長「そんなことがあったんだね、全然気が付かなかった。でも最初の3か月は褒めて伸ばさないといけないし…どうやって注意したらいいかな?」

このままではいけないとハラハラしながら相談する私に対して、師長は相変わらずあまり問題視していないようでした。

師長「最近の子はほかのスタッフの前で怒られることをすごく嫌がる子もいるし、師長から言われると必要以上に委縮しちゃわない?若い子たちから言ってもらった方がいいのかな?」

そんなことを繰り返す師長に対して、私は何も言えませんでした。

私『この人はなにを考えているのだろう。また私の考えすぎ?時間が解決するの?このまま何もしなかったら、悪い印象のせいでこれからほかのスタッフとの関わるときにあの子が苦労するんじゃない?やっぱり私が注意した方がいいのかな?私が言っておきますよって答えればいいのかな…』

そんなことを考えているうちに、話題はどこか空に飛んで行ってほかの話題にすり替わっていました。

私がモヤモヤした原因は、あそこまで明らかにスタッフがざわついていたことに全く気付ていなかったこと、今の状況を放置していたらどうなるのか危機感を師長と共有できなかったことだと思います。

結局その新人には後日、病棟での私語は気を付けるようにと私から伝え、それからは自然と休憩室でも静かに過ごしてくれるようになりました。

あの時の出来事をこうして文章に書いてみると、やはりそこまで大きな心配事ではなかったのかと思うほどあっさりとした結末に見えますが、あのざわつきやその場の空気感は私には本当に苦しいものでした。

そして今後も同じようなことが起きた時、私はどうしたらいいのかと頭を悩ませています。

みなさんは、胸がざわつくほど空気が悪くなった時どうしていますか?

私は可能であればいったんその場から離れるようにしていますが、どうしても逃げられない場面もありますよね。

HSPである私と、鈍感さん師長の戦いはこれからも続くのでしょうか…。

さと



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About Me

看護師13年目のHSP看護師。

HSP気質を持ち、生きづらさを感じながらも日々働いています。

Instagramとblogにて、HSP看護師ならではの悩みや情報を投稿しています。

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