春が来た、新人看護師が来た

5月に入り、北海道の春ももうすぐ終わろうとしています。

3~4月は毎年あっという間に過ぎていき、気が付けばもう5月。

看護師として働いている方、その中でも新人教育に携わるスタッフの方々であればその理由にも共感していただけるのではないでしょうか。

そうです、4月には新人看護師が来るのです。

看護学生たちはつらかった国試の勉強から解放され、晴れて国家試験に合格しそれぞれの施設に入職を果たした暁には、看護師としてのあれこれを叩き込まれる新人研修を受けるというのが一般的な流れなのではないでしょうか。

新人教育の方針やカリキュラムについては、それぞれの施設で違いはあると思いますが、いずれにしても研修を行うには必ず事前準備が必要になります。

携わるスタッフも様々で、教育委員が主体となる施設もあれば私が働く施設の様に各部署の主任が主体となって準備を進めるところもあります。

一言で準備といっても、去年の研修内容の振り返りから、資料の作成や印刷、役割分担や必要物品の準備など…。

通常業務を行いながら、こういった準備を進めるのは本当に骨が折れますよね。

業務の空き時間に研修の準備をしようものなら、周りのスタッフからは「病棟はこんなに忙しいのに手伝いもしない」、「研修の準備なんていつでもできるでしょう」などなど…。

直接言われなくとも、こんな言葉が背中にチクチクと刺さります。

そんな聞こえない声に気づいてしまうことや、仕方ないだろう!と割り切れずにいるのも、HSPの性なのでしょうか…。

そして結局そんな空気に耐えられず、研修の準備は後回しで日常業務に戻っていく…そんな毎日を過ごしているうちにあっという間に3月は終わり、気づけば新人研修は始まっているのです(^^;

ここ数年はコロナの影響が大きく、看護学校の教育自体も大きく変わりました。臨地実習などほとんど行けず、行けたとしても患者さんを話せるのは15分程度。行動計画にいたっては、実施できるものがほとんどないので、『仮に計画をたてるとしたらどうするか』を考えてくるそうです。もちろん、看護計画に対する実践もできないので実際の評価もできない。果たしてこれが実習と言えるのかも怪しいくらいです。

私の時代のと言えば、実習に関しては楽しかった思い出などほとんどなく、毎日朝まで記録を書いたり、とにかく指導者のスタッフが怖くて実習先では存在感を消しつつも積極性をアピールしたりと、訳が分からずただただ必死に過ごしていた記憶があります。

そういった経験をした側からすると、実習がない最近の学生に対して一瞬羨ましさを感じたこともありました。

『あんな思いをしなくとも看護師になれるのかー』と。

しかし、自分が教育をする立場になった今、あのつらかった実習を経験することが看護師として働き始める中でいかに大切なことであったのかを毎日痛感しています。

病棟での振舞い方、先輩スタッフへの接し方、タイミングの計らい方、基本的な挨拶や報告ができない子たちが当たり前にいるのです。

一概に実習を受けられなかったことだけが原因ではないのかもしれませんし、同じ教育を受けてきた中にもきちんと行動できる子もいます。

あまり良い言い方ではないのですが、本当に目に余るような行動をする子が毎年いるのです。その数人だけにフォーカスをあててしまうのは教育者としても管理職である自分の立場からしてもよくないことだとわかってはいるのですが…((+_+))

そういった実情を受けて、新人看護師を受け入れる現場の教育体制もここ数年で目まぐるしく変化しています。

まだまだ経験年数の浅い私ですらその変化を感じているので、もっとキャリアのある方であればなおさら強く感じているのではないでしょうか。

『私の時代はこうだった』なんて言葉は、もう言えません。

そんな言葉は本人たちに響きませんし、それはそれ、これはこれ、が今のセオリーなのです。

最初の3か月間は褒めちぎる、否定をしない、ほかのスタッフがいる中で注意をしない、その子のキャラクターを理解して受け入れる…

それが新人を受け入れた病棟に与えられる役割なんです。

…正直、本当に息がつまります。

新人の一挙一動に必要以上にストレスを感じてしまうのはHSPの気質のせいもあると思います。他のスタッフがもっと余裕をもって新人に接している姿を見ると、『どうしてあんなに優しくできるのだろうか』とか『やっぱり私は教育に向いていなんだ』という気持ちになってしまいます。

それでもやはり、指導者の立場として、なるべく早く一人前になってほしい、どこに行っても困らないような看護師になってほしいという気持ちは捨てきれません。

たとえその新人が一人前になれなかったとしても、それは指導者のせいではない。もし、自分以外のスタッフが同じ悩みを抱えていたら、私はそうアドバイスすると思います。

しかし当事者が自分自身になった途端、どうしても責任感から逃れられず自己嫌悪に陥ってしまうのです。

同じ悩みを抱えている方、いらっしゃいますでしょうか?

そんな自己嫌悪からさらに余裕がなくなり、業務中にもピリピリとしてしまう…そしてさらに深まる自己嫌悪…。

何度経験しても断ち切れない負のループ…。

みなさんは、どんな新人看護師たちを育てていますか?

教育する上での悩みはありませんか?

今日は新人が入職して約1か月が経ち、目まぐるしかった4月を思い返しながらブログを書いてみました。

もしよろしければ、みなさんの経験やお悩みをコメントで教えてください。

新人教育に関する悩みは絶えません。続きはまた後日。

さと



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About Me

看護師13年目のHSP看護師。

HSP気質を持ち、生きづらさを感じながらも日々働いています。

Instagramとblogにて、HSP看護師ならではの悩みや情報を投稿しています。

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